コラム

【インタビュー記事】左脳と右脳を鍛えられて今がある

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左脳と右脳を鍛えられて今がある

私の職歴を話しますと、最初はベンチャーキャピタルの会社に勤めました。それからシステムエンジニアの派遣会社に勤め、中国での現地法人立ち上げに携わりました。その後、県立高校の教員を2年間やりました。当時、情報分野が普及し、高校の授業でも積極的に取り入れようという動きがあり、私は前職でシステムエンジニアリングに精通していたことから採用されたのです。しかし正直言って、この2年間は暇を持て余しました。
そしてマーケティングのコンサルタント会社に移りました。なんだか楽しそうと思ったのが動機です。実は小中学生の頃の夢が「中小企業の社長になること」でした。身近にそういう大人がいて、格好良くて、憧れていたのです。だから中小企業の社長のお手伝いができるのならと思いました。

この会社では論理的にマーケティングを考える訓練をさせられました。言わば、左脳を鍛えられたようなものです。しかしデータだけを見て商品やサービスを開発しても、結局はつまらないものになる。これでは尖ったものは生まれないと悟りました。

そこで今度は右脳を鍛える勉強をしようと思い、「IDEE」創業者である黒崎輝男氏の会社に入りました。「IID世田谷ものづくり学校」内にウェブテレビ会社を創設したほか、農家と消費者をつなぐ「ファーマーズマーケット」の立ち上げや、「TOKYO DESIGN FLOW」というイベント運営やフリーペーパー制作などに携わりました。黒崎氏に言われた言葉で、今でも忘れられないのが「商いというのは、50円のモノを仕入れて100円で売るだけだ」。この言葉で、すべてのことが腑に落ちました。マーケティングなんて小難しく考えるより、もっとシンプルに考えようと思った瞬間でした。

そして31歳で独立。最近は阿佐ヶ谷のJR高架下を「阿佐ヶ谷アニメストリート」として再開発する、プロデュースに携わりました。自らも「阿佐ヶ谷駐屯地」というショップを構え、1970〜80年代に人気を博した漫画家の複製原画を販売するなど、往年のファンに向けたビジネスを展開しています。

今、さらに真剣に取り組んでいるのが6次産業化です。農業も漁業も林業も、1次産業は問題が山積み。しかしどの業界も抱えている問題は同じだと痛感します。1次産業の売り上げを10倍にしたい。これが当面の私の課題です。

Re-Public Initiative インタビュー記事より

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