コラム

髭剃り企業が120億円調達したのに

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ひげ

私はヒゲが生えませんので、ヒゲ剃りのことに関心がありませんでした。
しかしヒゲ剃り企業がなぜ調達できたのでしょう??

Dollar Shave Clubの2つの特徴

Dollar Shave Club」が注目されるに至ったきっかけは2つあります。

特徴その1.「髭剃り」をサブスクリプション方式で提供

ヒゲ剃りは最寄り品であり、生活消耗品の1つです。男性なら「普通は」買うんでしょう。
何も気にせず購入していたヒゲ剃り。
それを「Dollar Shave Club」は、「市場が大きく、定期的に購入する必要があり、買い忘れしやすい商品特性を持っている」と定義しました。

T字カミソリはメーカーのサイトなどを見ると、刃の交換時期は平均して2週間程度の取り替えが推奨されている。替刃の価格は4個入り、すなわち2か月分で実売1500円前後。年間では1500円×6=9000円これに本体単価が加わるので年間10,000円ぐらいがT字カミソリの平均購入単価なんでしょうが、侮るなかれ男性向け「シェービング」商品の世界市場は約160億ドル(1兆9888億円)規模と言われている。しかし、大手企業による寡占状況が続いてきていた。
シェア(ジレット:66%・シック:12.5%・ビック:5.2%)

大手が毎回買わせていたものをWebで髭剃りハンドルと替刃を月3ドル、6ドル、9ドルのサブスクリプション(定期購入)方式により、ソリューション提供をすることにした。毎回購入するヒゲ剃りをお店で毎回毎回買わなくてはならない手間と、悩む時間は解消。定期購入で今までとほぼ変わらない金額で自宅に届く仕組みをつくった。

Dollar Shave Clubの特徴2.動画マーケティングを使ったエンターテイメント性を重視

DollarShaveClub

Dollar Shave Club」の映像は面白く色々派生動画なども出現したぐらい。

その動画「Our Blades are F***Ing Great」は、CEOのMichael Dubinも出演し、既に1,300万回以上再生されていて、シリーズ化して欲しいとの要望も多いそうです。

「Our Blades are F***Ing Great:Dollar Shave Club」

そしていま、サブスクリプションの利用者はどんどん増えている。現在、「ダラー・シェイブ・クラブ」の利用者は200万人に上る。2014年は6400万ドルだった同社の売り上げは、2015年には1億4000万ドル(174億円)とすさまじい勢いで成長しているのが分かる。

つまりヒゲ剃りすごい!ということではなく、言いたかったのは
・サブスクリプション(定期購入モデル)が今後は主流になりそうだけど、それは単純に定期購入モデルを作れば良いというものではなくあくまで「ソリューション提供」であり、「モノの価値自体は0円でも構わない」ということがわからないといつまでも、単なる定期購入モデルを販売しているだけになる。
・既に寡占状況の市場であったとしても、販売方法や見せ方など工夫することで、まだまだ低コスト参入することが可能である。
・いいかげん、「ものづくり日本」と言っている場合ではなく「知的解決日本」にシフトすることで、新たなモノづくりのステージに立つ必要がある