日本では企業をスタートアップする時の資金調達は、銀行や信用金庫などの金融機関からの借り入れしか手段がない状況があります。
そのため、日本では起業のためのハードルが大きくなる傾向が出ています。しかし、海外では金融機関からの借り入れ以外の多様な手段が存在しています。
アメリカにおいては、スタートアップ企業に対して資金を出す投資家であるエンジェルが多数存在しています。エンジェルは起業家から事業内容の説明を受けて、将来性があると判断した場合には事業の運営資金を投入します。エンジェルは出資をした企業の未公開株式を保有することになり、その企業が株式市場に上場を果たした時には莫大な利益を上げられる仕組みがあります。このように海外ではエンジェルからの資金調達が、スタートアップ企業の一つの手段になっています。こうしたベンチャー企業への出資金額は、近年で急速に高まっている傾向が出ています。
ＩＴなどの一部のベンチャー企業では100万ドル以上の資金調達を、スタートアップ時点で実現してしまうところもあるほどです。そうした環境があることから、現時点で有力な技術などを保有しているベンチャー企業では金融機関に頼らない資金調達が、比較的容易な時代となっています。技術を保有しているベンチャー企業が調達をした資金を使って将来的に大企業へ育っていけば、投資家に対しても国に対してもメリットが生まれてきます。このようにアメリカでは企業の新陳代謝が起こる仕組みがあり、国全体としての企業の競争力を保つことができています。
また、最近ではスタートアップ企業が、ネット上で資金調達をするクラウドファンディングも行われるようになってきています。クラウドファンディングは、ネット上で事業内容に共感をした不特定の人が資金を出し合って事業家が資金調達をする仕組みです。クラウドファンディングでは小規模なビジネスが中心となっていますが、個人で事業を開始する際の資金調達手段として重宝をされるようになってきています。
