コラム

新規事業開発成功の秘訣を素晴らしい新規事業「minikura」から考える

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企業内にある「新規事業開発部」や「新規事業室」

「事業開発部」「新規事業室」あなたの会社にも、あるのではないだろうか?
そして、その部署はきちんと機能しているだろうか。機能というのは、新事業を生み出しているだろうか?またその新事業は本当に【新】事業だろうか。
私のような外部の人間が他社の「事業開発」をお手伝いするのには理由があるし、みな新規事業成功の秘訣を知りたがっている。project-costs-management

自社で新規事業開発する時のよくある失敗例

本来新規事業開発や新商品開発などは、自社の人間で行えば良いのである。優秀な人間が誰かも把握しているし、会社の方向性や文化も理解している。だから新しい事業を生み出しやすい。そう思って、事業部や部署を横断して、「できそうな人間」をスタッフィングしたり、会社内で「公募」をおこない「新規事業」を行う人間をバックアップする。
いざアイデアが出てきて、新しいことをやろうとすると幾度と無くストップする。理由は「売上が見えない&回収期間までが長い」というものだ。そして落ち着くところは「無難な事業」。責任者として任命されているものも、最初に実現したかった思いからは遠くなり、いまいち腑に落ちないながらも自分を納得させた状態でスタート。そして「役員らが満足する無難な新規事業は無難な事業として、最初のリリース時だけ盛り上がるがそのまま淡々と稼働し3年以内に成果もなく終了」。となる。

しかしこれはまだましな方だ。殆どが「収益モデルのシミュレーションを繰り返しながら、そのプロジェクトが放置プレイ」となり、会社全体の新規事業室は形骸化され、なぜか部署ごとの新事業グループなどが出来上がるが、それも次第に形骸化されていく。そして名ばかりの「新規事業室」が出来上がり、解散されていく。
しかし、これは仕方がないのだ。
新規事業開発や起ち上げに慣れている人なんてそんなに多くもないだろうし、ましてやBtoBの受託仕事をメインとしている企業が新規事業開発の中で自ら発信していくモデルを構築するとなると途端に動きがわからなくなる。

さらに、新規事業開発と言われて、散々色々動いた結果、成果が生み出せないところが行う手法として「新規事業の公募」をおこなう。そして公募した中で今度はジャッジをする側になり、新規事業開発をやったことがない人間がジャッジをおこなうので、同じように無難・微妙な事業モデルが採用され、非常に小さな投資でリスクを最小限の状態でその事業モデルがスタートさせられる。そして100〜300程度の微妙な金額のスタートでは、結局事業はスケールすること無くそのまま何事も無かったかのごとく終了していく。

可能性のある新規事業開発例【minikura】紹介

一時期、電車内広告でやたらと見る広告があった。
「寺田倉庫 ビジネスプランコンテストTERRA-Biz」
寺田倉庫さんは新しいことをいま積極的にやろうとしているんだなぐらいにしか、その時は思っていなかったが最近非常に便利なサービスを発見してしまった。「IT+倉庫」でこんなにも便利になるものかと。利用者にとって見れば非常に便利だし何より、この市場は独占で行けるのでは?と思える可能性を感じる。

【minikura】というクラウドリアルストレージサービス
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預ける金額が月々で非常に安い。まさにクラウド倉庫と呼ぶにふさわしい金額設定であり、預け方も指定されたダンボールを購入しそれに詰めるだけ。しかし気になったのは「ただ預かる」というサービスではなくその下に「ヤフオク出品」という部分だ。

サービス名は『ヤフオク☓minikura』というサービス。

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なんと、商品撮影を無料でやってくれて、そのままヤフオクに出品ができ、倉庫に預けたままそのまま配送が可能なんて、物流倉庫の利点を思いっきり利用したサービスを始めている。もう恐ろしいほど強力なサービス。もう私はこんなサービスを見せられたら寺田倉庫さんのすっかりファンとなってしまった。

もう1歩進めるとしたら、今回のような熊本地震・震災が合った際に寺田倉庫さんに預けているものを利用者から申請があった場合、必要な場所に必要な物をそのまま送付するというサービスがあればいいなと。ただ、提供するサービスコストが低いので、このminikuraのモデルを使用した新たなビジネスが生まれそうな気がプンプンしますね。

新規事業開発成功の秘訣

新規事業成功の秘訣として重要なのは「決断」「行動力」である。

そして時にこの「決断」というのがなかなか出来ない。なぜならコンサルや広告代理店と一緒に事業開発系を遂行していると「言い切る」ということをしないからである。
新規事業開発成功の秘訣は、「言い切る」という部分の責任と「先導していくというプロデュース力」にある。これらの力を持った人間を社内で育てることが難しければ、業界を横断したプロジェクト経験が多数ある「単一業界に縛られた方法を取らない」人間を社外から投入するべきである。豊富な経験から「言い切る」ことの出来る人間が一人加われば、今までの枠にとらわれることなく、自由な発想で新規事業開発をおこなうことができる。

新規事業開発成功の秘訣は、多岐にわたる事業開発経験を持つ、決断力のある社員を育てる必要がある。

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